「首都ワシントンを51番目の州に」下院で可決 上院は見通し立たず - 毎日新聞 - 毎日新聞

米連邦議会＝ワシントンで2018年4月9日、高本耕太撮影

　米国の首都ワシントン（コロンビア特別区）を51番目の州に――。米下院は22日、ワシントンを州に格上げする法案を与党・民主党の賛成多数で可決した。野党・共和党は協力姿勢を示しておらず、上院で可決される見通しは立っていない。

　ホワイトハウスや連邦議会、連邦最高裁などがあるワシントンは、どの州からも干渉されないよう連邦議会の直轄下に置かれている。人口は70万人超だが、州ではないため連邦議会には、本会議での議決権を持たない代議員（下院議員に相当）の議席を一つ持つ。

　法案は、特別区を官庁や博物館などがあるワシントン中心部に限定し、その他の住宅街などを切り離して州にする内容。州に昇格した場合、上院議員2人、下院議員1人を連邦議会に送り込むことになる。

　ただ、住民の過半数がマイノリティー（人種的少数派）で、州になった場合、民主党に有利になるとみられている。上院で法案を可決するには、実質的に60人の賛成が必要。現在の議席は民主、共和ともに50で、法案可決には、共和党から10人が賛成に回る必要があり、ハードルはかなり高い。昨年も同趣旨の法案が下院で可決されたが、上院で廃案となっている。

　一方で、州昇格問題を契機に、より平等な選挙権の確立を求める運動が拡大することを期待する声もある。【ワシントン古本陽荘】

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