【ローマ＝三井美奈】２０カ国・地域首脳会議（Ｇ２０サミット）が３０日、イタリアの首都ローマで始まった。２日間の日程。初日の討議では、新型コロナウイルスで打撃を受けた途上国への支援が議題となり、来年半ばまでに世界のワクチン接種率を７０％に引き上げる目標を確認する見通し。エネルギー価格高騰への対応など世界経済の状況についても話し合われる。
新型コロナでは、途上国でワクチン接種が遅れ、経済回復でも先進国との格差が拡大している。サミットでは「接種率７０％」の実現に向け、国際枠組み「ＣＯＶＡＸ（コバックス）」を通じた途上国へのワクチン供給の加速を話し合う。
英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」によると、少なくともワクチン接種を１回受けた人は世界人口の４９％を占めるのに対し、低所得国では約３％にとどまっている。
また、世界的な石油、ガス価格の高騰については、バイデン米大統領が中東産油国を念頭に、増産を促すとみられている。先進国ではエネルギー需給の逼迫（ひっぱく）で製造業への影響が広がっており、新型コロナ禍からの経済復興の足かせになるとの不安が広がっている。
Ｇ２０サミットの対面開催は、２０１９年の大阪サミット以来、２年ぶり。日本の岸田文雄首相、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領は現地入りせず、オンラインで参加。サミットは３１日、地球温暖化対策を協議し、成果をまとめた共同宣言を発表する予定。
ワクチン接種「７割」目標確認へ Ｇ２０開幕 原油高騰対応も討議 - auone.jp
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