ベラルーシ当局は23日、領空を飛行していた民間機を首都ミンスクの空港に緊急着陸させた。同機にはベラルーシのルカシェンコ大統領に対する抗議活動を主導したグループの元幹部が搭乗しており、着陸後、ベラルーシ当局に拘束された。拘束のために民間機を強制的に着陸させた可能性があり、国際社会からの非難を招きそうだ。
現地メディアによると、緊急着陸させられたのはアイルランドに本拠を置くライアンエアの航空機。ギリシャからリトアニアに向かう途中、ベラルーシ上空で旋回。ベラルーシ軍のミグ29戦闘機に同伴され、ミンスクの空港に着陸した。「機内に爆発物がある」との理由でルカシェンコ氏が着陸を指示したという。だが着陸後の捜索で機内から爆発物は見つからなかった。
拘束されたのは、隣国ポーランドを拠点にソーシャルメディアでルカシェンコ政権を批判するグループ「NEXTA(ネフタ)」の元編集長、ロマン・プロタセビチ氏。
ルカシェンコ氏は2020年8月の大統領選で6選を発表したが、不正があったと訴える抗議活動が起きた。この際、NEXTAはデモの経路や集合時間などを伝える司令塔のような役割を担った。ルカシェンコ政権は同年10月、NEXTAを過激派組織に指定。プロタセビチ氏ら幹部をテロリストのリストに加え、滞在先のポーランドに身柄の引き渡しを要求していた。
大統領選の元対立候補でリトアニアを拠点に活動するチハノフスカヤ氏は23日、ツイッターで「プロタセビチ氏の逮捕のためにルカシェンコ政権はライアンエア機を強制着陸させ、乗客の命を危険にさらした」と批判。国際民間航空機関(ICAO)に調査を求めるとともに、ルカシェンコ政権にさらなる制裁を加えるよう国際社会に訴えた。【モスクワ前谷宏】
ベラルーシに民間機緊急着陸 反体制派が搭乗、拘束のため強制か - 毎日新聞 - 毎日新聞
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