
ジョー・バイデン米大統領は28日(日本時間29日)、上下両院合同会議で施政方針演説を行った。外交政策では、軍事的覇権拡大を続け、深刻な人権問題を抱える中国を名指しして牽制(けんせい)し、対抗する姿勢をあらわにした。オバマ政権時代、副大統領として対中融和を進めたバイデン氏だが、強硬姿勢は本物といえるのか。 「専制主義が未来を勝ち取ることはない。勝利するのは米国だ」「紛争を防ぐため、米国はインド太平洋で強固な軍事力を維持すると中国の習近平国家主席に伝えた」 注目の演説で、バイデン氏はこう語った。 バイデン政権は3月、日本と米国、オーストラリア、インドの4カ国による戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の、オンライン首脳会談を主催した。菅義偉首相との日米首脳会談(今月16日)では「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を見せた。 冒頭の演説では、「不公正な貿易慣行や知的財産、技術の窃取に立ち向かう。次世代の技術で優位に立たなければならない」とも述べた。 これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は29日、「相手に足払いや罠を仕掛けたり、悪質な競争をたくらむべきでない」などと批判した。 議会演説は1月の就任後初めてで、29日で政権発足100日となることに合わせて成果を訴えた。バイデン氏の演説を識者はどうみるか。 福井県立大学の島田洋一教授は、「これまでと違う印象的な発言はなかった。クアッドやハイテク分野における、(ドナルド・トランプ)前政権からの政策維持が評価できる一方で、中国への競争に打ち勝つための手段として軍事面を発言しなかった。党内圧力もあるだろうが、中国が最も恐れるのは米軍であるため、政権が軍事費実質削減したことなどは留意すべきだ」と指摘した。 やや違う見方もある。 元陸上自衛隊東部方面総監で、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェローの渡部悦和氏は、「選挙前の評価とは異なり、評価できる。特に『自由で開かれたインド太平洋』構想を前政権から引き継いでおり、アントニー・ブリンケン国務長官や、ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)など、有能な人物を政権幹部に起用した。オバマ政権の失敗を理解して、『民主主義vs専制主義』という構図を認識しているようだ」と分析した。
バイデン大統領、対中強硬姿勢は“本物”か? 「勝利するのは米国だ」「インド太平洋で強固な軍事力を維持すると中国に伝えた」(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
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